受験生のための税理士事務所の選び方

仕事と勉強の両立可能?受験生のための税理士事務所の選び方

税理士事務所の選び方

はじめに

この記事をご覧の皆さんは、日々、税理士試験の勉強に追われ、ずっとこの勉強スタイルで過ごしたまま、果たして仕事との両立が可能なのか?
そんな不安な気持ちになっている方が多いのではないでしょうか?

 

あるいはもう既に働きながら勉強するという生活をしている人もいるかも知れません。
ですが、そういう方は、既に自分の生活スタイルを確立できているでしょうから、ここではまだ税理士事務所で働いたことがない方に向けて書こうと思います。

 

もちろん私のいうことがすべてではないですし、人それぞれ様々なスタイルがあることは言うまでもありません。

 

私は一般企業で働きながら初めての税理士試験に臨んだことを皮切りに、これまで個人事務所から大手税理士法人まで経験し、現在は税理士事務所を開業しています。「勉強と仕事」についてはそれなりの経験をして参りました。

 

数年でスパッと受かってしまった人のいわゆる「成功事例」が美化されがちですが、そんな人は一握り。

 

やはり皆さんが知りたいのは、そう上手くはいかない場合には、どういう基準で税理士事務所を選べばいいのか、どういうスタイルで勉強と仕事を両立すればいいのか、ということではないでしょうか?

 

それでは、さっそく次項から、順を追って見ていきましょう!

まずは目標設定から

さぁ、まずは「目標設定」についてです。
目標設定?そんなの税理士になることに決まってんだろって声が聞こえて来そうですが、ここでいう「目標」とは、どういう税理士になりたいかです。

 

ここで重要になってくるのが、「どんな方向性」の税理士になろうとしているのか、です。
私は正直このことは全く考えておらず、後々結構後悔しましたので、あえてここで「まずは目標設定から!」というサブタイトルを掲げました。

 

税理士試験を経験されている皆さんならお分かりのように、税理士になるための試験科目は、必須科目と準必須科目、それと選択科目とで成り立っています。

 

必須科目はいいとして、問題は準必須と選択科目です。
ここで選択する科目が後々大きく税理士としての事業に影響を与えます。
というのも、まず準必須科目は「法人税か所得税」、選択科目の中には「消費税と相続税」という「国税」が含まれています。
もうだいたい予想がつくと思いますが、どういう税理士になりたいかによって、選択する科目もしっかり考えた方が良いですよということなのです。

 

結局多くの方は、これらの国税が重要であることは分かっていながらも、税理士試験を早く終えたいがために、これらを避けて、ボリュームの少ない地方税を選択しがちです。

 

絶対にそれではダメだということではないですが、まぁ合否は別に構わないですが、やっぱり受験した科目は頭の中に深く刻まれますよね。
その頭の片隅に刻まれることがとても重要だと私は考えます。

 

私は現在開業していますが、「相続税」をきっちり勉強したことがありません。そうすると、いざ相続のお話しが回ってきたときに、なかなか引き受けることができないのです。

 

そんなの実務で覚えればいいと皆さんおっしゃいますが、そもそも実績がないと、なかなかお仕事も回って来ないものです。
これは事務所にもよりますが、もし先輩にフォローしてもらいながら経験できたとしても、当然、受験経験がある方が、その実務経験での知識の蓄積は加速的に飛躍します。

 

科目のほかにも、どういう税理士になりたいかを考えて、その将来の目標から逆算して、いまどういう行動すればよいかを決めることは大事だと思いますよ。

仕事と勉強の相関性を考える


ここでのサブタイトル「仕事と勉強の相関性」とはどういうことかと言いますと、あくまで税理士試験とは、税理士というお仕事に必要な最低限の知識を養うためのもの、ということです。

 

皆さんも感じていると思いますが、税理士試験は、とてもきつく長い道のりです。
長い期間勉強をしていると、どうしてもその目的が「試験に合格すること」となってしまいがちです。

 

かくいう私も勉強中は、試験に受かることに必死で、その勉強が実務でどう使われるのかなどに考えが及びませんでした。
ですが、少しでも実務にリンクすることを考えてみてください。

 

実務において、この規定はどう適用されていくのか、どういう事象においてその規定が発動するのか、これを考えることはとても重要なことです。
とても重要であるうえに、勉強の質も格段にあがります。

 

しかし実際には、いまの税理士試験では、必ずしも実務にリンクしていないのも事実です。

 

例えば理論問題。いまの各専門学校では、各条文を基本的には暗記をして、そのうえで応用問題を解くというスタイルです。
実際には実務で理論を覚えていなくても、条文を調べれば良いだけです。丸暗記する必要はありません。

 

ではなぜ税理士試験では税法六法などの条文の持ち込みを禁止して、丸暗記させるのでしょうか?
一つ考えられるのは、受験時代にがむしゃらにでも頭に叩き込んだ条文は、生涯にわたって頭の片隅に残ります。

 

これが実務上で、例えほとんど忘れてしまっても、ある事象において、「確か○○みたいな条文があったなぁ」とぼんやり頭に浮かぶだけで、どんなことを調べればよいかが分かります。つまり、なにかを調べるための「トリガー」を頭に浮かべられるようにするための訓練だと私は思っています。

 

まとめると、意味がないように見える「丸暗記」も、将来の実務において、実はそれがトリガーになるということ、勉強するときには、それが実務でどう役立つのか、どんな事象で適用されるのかを考えることで、いろいろな規定の横のつながりが見えてきて、勉強の質もあがるということですね!

税理士事務所の選び方

さて、最後は税理事務所の選び方です。
上記までを考慮して、自分の人生設計にあった税理士事務所を選択しましょう。
では、どういう選び方をすればいいのでしょうか?

 

ここで重要になるのが、上述の「目標設定」です。

 

どういう税理士になりたいのか、どういう仕事スタイルにしたいのか、どんな分野で活躍したいのか、それを基に税理士事務所を選択するのが一番良いと思います。

 

例えば、将来は大きな事務所で難易度も高く、規模も大きい事業承継や相続案件などをバリバリこなして活躍したい方は、大手税理士法人を選択するのがいいでしょう。

 

そのためには、やはり「資産税」は抑えておく必要がありますよね!?
そうなると、所得税、相続税は勉強しておく必要があります。また、大手税理士法人に就職すると、その業務量の多さから、なかなか受験は順調に進まないのがほとんどですので、合否は別としても、就職前に一度は所得税、相続税の勉強を一通り済ませておくことをお勧めいたします。

 

また、将来は大企業の合併や株式交換などのM&Aを手掛けたい方は、上記同様に大手税理士法人の選択が良いでしょう。
勉強すべき科目としては、法人税、消費税は必須です。欲を言えば、株価算定なども行うでしょうから、相続税も勉強しておくとなお良いでしょう。

 

一方、将来独立を希望している方は、特に難易度の高い業務はなかなか出会わないかも知れませんが、業務「範囲」が広い分、幅広くあらゆる税務の知識が必要です。

 

そうなるとやはり、大手税理士法人よりも小規模な税理士事務所か、個人事務所が選択肢としてあげられるでしょう。
勉強すべき科目としては、法人税、消費税、所得税、相続税……全部ですね(笑)
まぁ国税を4つ合格するのは相当大変でしょうから、個人的には所得税は受験科目にしなくてもいいかなと思います。

 

このように、自分の進みたい道を描いて、自分に最善の選択ができるようにしてくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

やはり事務所の規模が大きくなればなるほどその業務量が多くなるので、なかなか勉強との両立が難しくなります。
もちろんそんな中でもうまく両立して合格を勝ち取っている方もいらっしゃいますが、多くの方は両立に苦労しています。

 

例えば将来的には大手税理士法人でM&Aを専門的に大型案件をバリバリやっていきたいと考えた場合、私だったら、大手税理士法人では業務量が膨大なことを知っていますので、まず小規模な個人事務所にて、一般的な税理士業務を学びながら、うまく勉強との両立に努力すると思います。

 

個人事務所で3〜5年経験し、その後に大手税理士法人に転職するという人生設計を立てると思いますね。
皆さんもぜひ将来自分が進むべき道を描いたうえで、今の勉強とのバランス、両立を考えるようにしてください。

 

皆さんの今後のご活躍を心から応援致します。
将来の夢に向かって、精一杯、頑張ってくださいね!